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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

これからの産業集積

(産業立地2017年3月号特集より)
【グローバル化など事業環境とともに変わる産業集積】
 戦後の日本の地域産業政策は、1990年代前半まで一貫して大都市圏から地方への移転、分散を推進するものであった。
 しかし大企業をはじめとした製造拠点の海外移転や低価格の輸入品の急増で、国内の産業空洞化が進み、ものづくりの基盤である産業集積の維持に深刻な影響を与えるようになり、地域の既存の適正な産業集積を活性化するために「地域産業集積活性化法」(1997年)を制定した。また、「産業クラスター計画」(2001年)によって産学官連携での新たな産業集積地域の創出に取り組んできた。
 さらに「企業立地促進法(企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律)」(2007年)では、地域の強みと特性を踏まえた個性ある地域の産業集積の形成、活性化を目指し、地方自治体が行う主体的で計画的な取組を支援してきた。

【事業承継など中小企業の課題解決を支援】
 近年、産業集積は国内各地で縮小し続けており、既存事業の高度化や広域連携、産地間連携などネットワーク化が必要となっている。しかし全国一律の支援措置で地域の独自性を発揮できていないなどの課題が出ている。
 そこで、「企業立地促進法の一部を改正する法律案(通称:地域未来投資促進法案)」が2017年2月28日に閣議決定された。医療機器や航空機部品、観光、農水産品など地域の特性を生かした成長性の高い新たな分野で、地域経済への波及効果の大きな事業に対して、限られた政策資源を集中投入していくことを後押しするものである。
 一方、中小企業では業績の先行き不透明感に加え、経営者の高齢化と後継者の不在などから、倒産件数の3.5倍にあたる約2万9,583件の企業が休廃業・解散している。各自治体では、円滑な事業承継を行うための取組や、既存企業の域外への流出を事前に防ぐため企業留置活動に力を入れており、企業の抱える課題の解決を行政が支援することが重要となっている。
 今回の特集では、地域産業集積の現状や課題、今後の展望などについて掲載するとともに、国の事業承継の取組などを紹介している。