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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

交通インフラと産業立地

(産業立地2016年5月号特集より)
【交通インフラ整備による地域経済の活性化】
 首都圏では昨年度、常磐自動車道や首都高速・中央環状線が全線開通、また圏央道・埼玉県区間が全線開通するなどした結果、モノの流れが変化し、工場や物流施設の立地に大きな影響を与えている。新規に立地する工場の大半が物流効率化、輸送利便性等の観点から高速道路のICから10km以内のエリアを指向している。今後、新たな高速道路整備に伴い、新たな立地が期待される。
 日本には国際戦略港湾、国際拠点港湾、重要港湾が125港ある。企業活動の国際化に伴って輸出入に係わる物流の動きが増加していることから、港湾機能との距離も立地に与える影響は大きい。そのため、戦略港湾への広域からの貨物集約や戦略港湾背後への産業集積、大水深コンテナターミナルの機能強化などの取組が求められている。
 道路や港湾ほどの産業立地に与えるインパクトはないが、製品輸送やヒトの動きの観点から空港との距離を重視する業種・業態もある。
 高速鉄道は、産業立地というよりは観光面での効果が中心となる。今年3月の北海道新幹線の開業や昨年3月の北陸新幹線の開業では、沿線地域が注目を浴びている。北陸新幹線は今年4月に当初見込みより5か月ほど早く乗客が1,000万人に達した。

【地方創生に向けた交通インフラ施策】
 政府は昨年2月に交通政策基本法に基づき「交通政策基本計画」を閣議決定し、「まち・ひと・しごと総合戦略」や「国土強靭化基本計画」等とも連携して、基本的な方針、施策の目標、総合的かつ計画的に行うべき施策等について定めている。
 その方針のひとつである「成長と繁栄の基盤となる国際・地域間の旅客交通・物流ネットワークの構築」では、LCCの普及に向けた環境整備、国際コンテナ戦略港湾の機能強化やクルーズ振興による地域活性化、新幹線ネットワーク(整備新幹線、リニア中央新幹線)の整備と地域鉄道等との連携、高速道路ネットワークの整備と既存の道路ネットワークの有効活用(スマートICの整備等)など、地域の特色ある取組のために必要なインフラへ集中投資を行い、地域の雇用拡大・経済の活性化を支える施策を推進するとしている。
 今回の特集では、交通インフラと企業や物流施設の立地の関係、交通インフラを活用した自治体の企業誘致の取組などを紹介する。