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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

東日本大震災から5年-復興に向けた取り組み

(産業立地2016年3月号特集より)
【東北の復興から日本の再生へ】
 東日本大震災から5年を迎え、被災地では道路や鉄道などのインフラ整備や災害公営住宅の建設、高台移転などの工事が進められている。また福島県の田村市、楢葉町の避難指示が解除されるなど、復興に向けた動きも着実に進展している。しかし、いまなお17万人以上が避難生活を余儀なくされ、中でも福島県の避難者は約10万人と、原発事故の影響で帰還のめどさえ立っていない。
 安倍首相は昨年10月の政府の復興推進会議で、「住宅再建をしっかりと進めるとともに、被災地の産業・生業の再生やコミュニティの形成支援など、『心の復興』を成し遂げていく」とし、「『東北の復興なくして、日本の再生なし』。被災者の方々の心に寄り添い、従来の発想にとらわれることなく、スピード感をもって、復興のために全力を尽くす」と述べた。

【被災地の自立に向けた産業復興の取組を推進】
 国は震災直後から、仮設工場・仮設店舗等の整備や中小企業等グループ補助金、企業立地補助金などの支援を行ってきた。その結果、被災3県(岩手、宮城、福島)の鉱工業生産は概ね震災前の水準近くまで回復してきている。一方で、中小企業は地域や業種によって復興にばらつきがあり、建設業は好調だが、水産・食品加工業や卸小売・サービス業、観光業などは回復が遅れている。そのため被災施設の整備、復旧などにとどまらない、販路開拓や新規事業の立ち上げなどへの支援を行っている。
国では今年4月からの5年を「復興・創生期間」と位置づけ、6.5兆円の財源を確保して、事業の再建や住民の働く場所の確保など被災地の自立につながる支援を行うとしている。ただ復興には震災前から被災地が抱える人口減少や高齢化、産業の衰退といった地域の課題があり、これをいかに解決するかがポイントである。日本の地域に共通する課題を被災地が先駆けとして取り組むことで、地方創生のモデルとなることを目指している。
今回の特集では、国や自治体、企業のそれぞれの産業復興の現状や取組、今後の展開について紹介している。巻頭インタビューでは、震災後から復興支援活動を続けている一般社団法人RCFの藤沢代表理事に被災地での活動内容や、復興の現状と課題などについてお話を伺った。東日本大震災により被災された方々に、あらためて心よりお見舞い申し上げます。