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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

地方創生に向けた動き

(産業立地2016年1月号特集より)
【地方版総合戦略の策定と先行型事業の実施】
 政府が策定した「長期ビジョン」と「総合戦略」に基づき、各自治体は2015年度末までに地方版人口ビジョンと総合戦略の策定を行うこととなっている。政府の発表によると、地方版総合戦略の策定状況は、2015年10月末までに38の都道府県と728の市区町村が策定を終えている。これは全1788自治体の43%に当たる。
 10月末までに地方版総合戦略を策定した都道府県及び市区町村に対しては、地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地方創生先行型)を支給し、地方版総合戦略に関する先行的な施策の実施を支援している。
先行型の取組事例としては、長野県では県立白馬高校に国際観光科を新設し全国から入学者を募集、山形県白鷹町では紅花のブランド化による産業・観光の活性化、和歌山県古座川町は有害鳥獣を食資源などに有効活用、新潟県五泉市は基幹産業である五泉ニットの地域ブランドの構築などがある。
 さらに都道府県及び市区町村が実施する、他の自治体の参考となる先駆的な事業に対しても、地方創生先行型の交付金を支給し、地方版総合戦略に関する優良施策の実施を支援しており、709の事業が決定している。
その先駆的な取組事例としては、諏訪圏6市町村によるSUWAブランド創造事業や九州・山口発ベンチャー支援プラットフォームの構築、忍者ゆかりの5県と市町村が連携した観光誘客推進事業などの広域連携事業、また高知県や石川県輪島市などの日本版CCRC事業、福井県や山形県米沢市などの地元大学の研究シーズを生かした事業などがある 。

【地方創生の実現には自治体独自のアイデアが求められる】
 2016年度の国の新型交付金は、希望自治体全員ではなく、先駆性があり、他の地域の手本となる事業にだけ交付されるなど、今後は各自治体の企画力や構想力などが求められている。その意味では国の政策に沿った動きだけではなく、地方が自らの地方に適したソリューションを探し求め、自ら実行していくことが地方の多様性を高め、人口が減少したとしても持続可能なコミュニティの創造につながっていく。
 今回の特集では、地方創生の現状や今後について、国の施策や自治体、企業の動向などを紹介している。また巻頭鼎談では、地方創生の実現へ向けての地域の総合戦略の策定や実行、国の新たな施策や支援などについて語っていただいた。