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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

繊維産業

(産業立地2015年9月号特集より)
【繊維産業】
 高付加価値化によって世界市場を狙う 地域の経済や雇用を支えてきた繊維産業は、日本国内では一貫して縮小してきている。繊維産業の製品出荷額は1991年の12兆8500億円がピークで、以降は減少を続けて現在では3分の1以下にまで落ち込んでいる。安価な中国や東南アジアの製品との価格競争で日本の繊維産業は厳しい経営環境にさらされ、地域の繊維産地では縮小・廃業が相次いでいる。そこで国では、産地が取組むべき課題として「高付加価値化への取組」、「新市場開拓の取組」、「海外展開」について支援を行っている。産地では、売れるものづくりや人材育成、プロモーション、国内外での展示会・イベントなどの支援に力を入れている地方自治体等がある。また独自技術でオンリーワンの製品を開発したり、製品の自社ブランド化を図ったりした結果、その高付加価値が世界から認められている企業も出てきている。一方、日本の繊維メーカーは、「吸湿発熱」「吸汗速乾」「接触冷感」等の高機能繊維や、高強度・高弾性率、軽量、高耐熱などの高性能繊維等の先端繊維素材に軸足を移しており、日本ならではの商品として世界での地位を確立している 。

【衣料繊維から炭素繊維や他事業への転換も】
 世界では繊維の需要は伸び続けており、今後も成長産業だと言われている。特に産業用繊維は、日本やその他の先進国でも年々その比重を拡大している。こうした中、繊維メーカーでは衣料品繊維から、航空機や自動車内装で使用される炭素繊維やアラミド繊維など世界的需要や価格競争力のある高付加価値製品へと転換。繊維事業でのノウハウを生かし、樹脂や光学フィルムなどの非繊維事業へとコア事業をシフトするメーカーも見られる。今回の特集では、国の繊維産業の振興政策、産地の活性化を図る地方自治体の取り組みや、新製品開発に挑む中小企業の取り組み、繊維事業からの転換を進めるメーカーの取り組みなどを紹介する。巻頭インタビューでは、日本繊維産業連盟・日本化学繊維協会の上田副会長に繊維産業をめぐる情勢と今後の展望について話を伺った。