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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

観光と地域振興

(産業立地2014年11月号特集より)
【観光産業は多岐にわたり、地域経済活性化と雇用創出が期待される】
 観光産業は、宿泊や運輸、飲食、旅行業等のほか、土産品の製造・販売、さらに農林水産業やサービス業等まで、経済波及効果の裾野が広く、また人口減少下の我が国において外需とりわけ経済成長の著しいアジア新興国を取り込むことが期待できる成長産業である。我が国のGDPに占める観光業界の規模は3.5%程度で、自動車産業に匹敵するとも言われている。
 政府は日本再興戦略のなかで、訪日外国人旅行者数を東京オリンピック開催の2020年に2,000万人、2030年に3,000万人に増やす目標を掲げている。訪日外国人客の増加は、日本全体に恩恵が行きわたりやすく、地方に外国人客を送り込むことによって、地域経済の活性化や新たな雇用の創出につながり、2016年には、観光産業がGDPの6%までを占めるようになると期待されている。

【観光からツーリズムに】
 成長産業として観光産業が注目されるに従って、自治体でもご当地グルメのPRや新たな特産品の開発、複数の県や市町村が連携した広域的な取り組み、JRや旅行代理店等とのタイアップ、映画やドラマ撮影を呼び込むフィルムコミッション、海外事務所を活用した外国人観光客の誘致など観光産業の振興に積極的に取り組んでいる。
 また、富士山や富岡製糸場のような世界遺産や、地球科学的に価値のある地形や地質を有するジオパーク、書物などの記録物の世界記憶遺産などのいわゆる世界的なお墨付きに登録することによって、より多くの観光客を呼び込もうという動きも相次いでいる。
さらには、農山漁村への滞在型観光のグリーンツーリズムやアグリツーリズム、医療と観光を組み合わせたメディカルツーリズム、環境を取り扱うエコツーリズムなど、従来型の「観光」とは異なる概念も広がりつつある。

 今回の特集では、国の観光による地域振興政策や産業観光政策、自治体の取り組み、マレーシアのエコツーリズムなどを取り上げる。