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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

食品関連産業

(産業立地2014年9月号特集より)
【グローバル展開が進む食文化・食産業】
 昨年12月に和食のユネスコ無形文化遺産登録や健康ブームなどによって、世界では日本食への注目度が高まっている。2013年の農林水産物・食品の輸出額は、5,505億円(対前年比22.4%増)となり、1955年に統計を取り始めて以降で最高となった。一方、輸入額は輸出額の約16倍にのぼり、食糧自給は依然として輸入に依存した状態が続いている。
 農林水産省によると、日本の食市場が人口減少により将来的に収縮傾向にある中で、世界の食市場は、2009年の340兆円から2020年に680兆円に倍増し、特にアジアは82兆円から229兆円の約3倍に拡大することが予測されている。日本の食品産業の成長のためには、急速に拡大する世界の食市場を取り込む必要がある。
今年6月に閣議決定された「日本再興戦略」改訂2014では、まずは2020年までに輸出額1兆円を達成し、その実績を基に新たに2030年に輸出額5兆円の実現を目指す目標を掲げている。そのため日本の食文化の普及に努め、日本の食産業の海外展開と農林水産物・食品の輸出拡大にむけて、(1)海外市場に合わせて国内の改革を進めるなど輸出環境の整備、(2)オールジャパンでの輸出戦略などでジャパン・ブランドの推進、(3)HACCP認証やハラル認証等に取り組む地域を輸出モデル地区として支援、品目別輸出団体の整備等の取り組みを進めている。

【地域の食品産業は高付加価値化と新たな市場開拓が求められる】
 食品産業の国内生産額は、少子高齢化等を背景に1990年代後半から減少傾向で推移している。日本の食品産業は、地域に密着した中小企業が多くを占める産業構造であり、逆を返せば、その成長が地域経済の発展につながると言える。食品産業が持続して発展していくために、国内市場においては健康・介護向け市場や訪日外国人市場などをターゲットとした新たな付加価値商品・サービスによる需要の掘り起こしや、農林漁業者と食品産業、流通業者との連携による6次産業化による高付加価値化や市場拡大を進めることも重要である。また海外市場においては、アジアの中・高所得者層に対応した商品の開発・販売などによりアジア市場の需要を確実に取り込んでいくことが不可欠である。
 今回の特集では、食品関連産業の現状や動向、国の産業振興政策をはじめ、食品機械産業、ハラルビジネス、自治体の取り組みなどを紹介する。