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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

素材・部材型産業

(産業立地2013年11月号特集より)
【高いシェアを誇る国内素材・部材型産業】
 我が国経済が厳しい環境に置かれるなか、国内素材・部材型産業が好調を保っている。炭素繊維では、ボーイング787一次構造材向けの唯一のサプライヤーとして大きな注目を集めた東レが、世界首位の炭素繊維メーカーとして積極的な事業展開を進めている。また、各種モバイル機器のほか電気自動車への使用も進むリチウムイオン電池では、その構成材料の多くで日立化成ほか日本企業が高いシェアを占める。液晶ディスプレー用の偏光板でも、グローバルニッチトップ戦略を掲げる日東電工などがシェアを誇っている。その他、国内企業が世界的に高いシェアを占める品目は数多い。
 国内企業がこうした強さを実現した背景は一概には語れないであろうが、「ものづくり白書(2013年版)」では、「高い技術力と競争力を持つ我が国の完成品メーカーに鍛えられてきたこと」を挙げ、「完成品メーカーと部素材メーカーが共存共栄を図り、世界に冠たる我が国ものづくり産業を築いてきた」と述べている。

【競争力の維持と地域での新たなビジネスチャンス創出に向けて】
  しかし、厳しい国際競争にさらされながら、国内素材・部材型産業が今後も競争力を保っていくのは簡単なことではない。一層の用途拡大、シェア獲得に向けた技術開発、コスト削減など多くの課題がある。そうしたなか、個別の企業努力のみならず、国内各地域において地場企業を含めた産学官による研究開発、販路開拓などに向けた活動が進んでいる。地域での新たなビジネスチャンスの創出とともに、国内素材・部材型産業、ひいては日本のものづくり全体の国際競争力の強化につながっていくことが期待される。
 今回の特集では、東レの炭素繊維複合材料事業ならびに「ヒートテック」で知られる同社の繊維事業についての対談記事を掲載するとともに、素材・部材型産業の立地展開と地域における育成策、高い市場シェアを有する国内企業の強み、高付加価値商品の供給で新たな広がりを見せる四国地域の紙産業クラスター、そして最近の設備投資といったテーマで、素材・部材型産業の動向と地域産業との関わりについて紹介する。