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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

農業の成長産業化

(産業立地2013年7月号特集より)
【国内農業の課題と今後への期待】
 地域の基幹産業として重要な役割を担う農業だが、農業従事者の高齢化、後継者不足、耕作放棄地の拡大など多くの課題を抱えている。日本の食料自給率は平成23年度現在カロリーベースで39%と、先進諸国のなかでも非常に低い水準となっている。平成22年3月に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」では、国産小麦や米粉の使用割合引き上げ、輸出の拡大その他の取組を通じて、平成32年度には食料自給率を50%に引き上げるという目標が掲げられている。6月に発表された政府の成長戦略でも、国内農業の競争力強化へ向けての方針が打ち出された。
 そうしたなか、農業の6次産業化、高度な技術を導入した植物工場・施設栽培など、新たな手法で農業の競争力強化を目指す動きは徐々に進んできている。また、平成21年の改正農地法により企業やNPO法人等の農業参入へのハードルが下がり、同法施行後の約3年間で、新たに1,000を超える法人が農業参入している。こうした企業等の農業参入によって、農業の担い手増加、新たなノウハウや技術の導入などが進むことで、国内農業の振興に新たな展開が期待される。

【成長産業化に向けて】
 農業の成長産業化に向けての重要なポイントとして、高効率化、高付加価値化が挙げられる。ものづくりの技術・ノウハウを導入することで、適切な生産管理・品質管理を実施し、高品質な農産物を計画的に生産、出荷していくこと。また、6次産業化等の取組によって農産物に一層の付加価値を生み出すこと。こうした取組を通してより安定的な収益の確保を図ることで、国内農業の新たな活性化への道筋が期待される。
 今回の特集では、農業参入した企業や、農業を通して地域活性化を図る地方自治体、支援機関などの取組、また、6次産業化、ITを活用した先進的な施設栽培など、いくつかの事例を紹介しながら、国内における新たな農業の動向、方向性を探っていく。