HOME > 機関誌「産業立地」 > 産業立地2012年11月号特集

機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

企業立地と人材育成

(産業立地2012年11月号特集より)
【高まる人材育成の重要性】
 グローバル化や円高に伴う国内産業の海外展開、地域産業の空洞化が進み、また、海外の安い人件費との競争を強いられる中、日本の強みである技術力、丁寧な対応・サービスなどの一層の充実を図ることが、国際競争力の強化、国内地域産業の振興につながることから、人材育成の重要性がますます高まってきている。
 こうした状況を受けて、国でもさまざまな人材育成の支援策を展開している。平成19年にスタートした企業立地促進法の補助事業では、地域における企業の新規立地促進や、立地企業による円滑な人材育成を支援するための支援事業が盛り込まれ、各地域で策定した基本計画に反映されるかたちで、地域の人材育成・確保に向けた活動が進められている。

【地域産業が求める人材育成のあり方とは】
 多くの地域においては、こうした国の支援施策等を活用しながら、地域の特徴、ポテンシャルなどを分析、検討したうえで、地域の産業が求める人材を育成しようと工夫をこらしてきている。対象とする分野は自動車、航空宇宙、医療、半導体、環境・エネルギーほかさまざまであり、製造業以外のコールセンターやソフト開発、デザインなどの分野も注目されている。また、新規立地か地場企業振興か、高度技術か基盤技術かといった人材育成の目的の違いにより、カリキュラムや対象とする人材が異なり、同じ地域内でもさまざまなアプローチが展開されている。もちろん、各企業では社内において独自の人材育成を行っており、経営トップの明確な信念に支えられ、着実に成果を上げている例も少なくない。そのため、産業振興における人材育成において、行政が果たすべき役割を再確認する必要もある。
ところで、地域の雇用創出が大きな課題とされる一方で、企業サイドが求める人材の確保に苦心するという状況も散見される。人材育成を行う行政としては、どのような人材が求められているのか、現状を把握し、現場の声を反映した人材育成の仕組みづくりに努めることが重要なポイントとなっている。
この特集では、各地域、企業の取り組み事例を紹介しながら、地域産業における人材育成の意義、今求められる人材育成のあり方について考えてみたい。