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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

物流業界の動向

(産業立地2012年9月号特集より)
【合理化、効率化のニーズがますます高まる物流業界】
 貨物の輸送、保管を始め、梱包・包装、値札付け、検品、セット組みといった物流加工を含め、物流業界に対するニーズは複雑化している。SCM(Supply Chain Management 原材料や部品の調達から最終的な顧客までのモノの流れの全体最適を目指し、統合的に管理する手法)や、3PL(Third Party Logistics 荷主に対して物流改革を提案し、企業の物流を包括的に受託するサービス)といった手法も注目され、コスト削減を含む物流の合理化、効率化が一層問われるようになっている。
 「全国貨物純流動調査(物流センサス)」(国土交通省が1970年以来5年ごとに実施)によると、直近の2010年(第9回)調査における全国貨物純流動量(年間出荷量)は25億9000万tで、前回の2005年調査に比べ15.4%減少し、1975年調査と同水準となっている。同調査開始以来、年間出荷量が最も多かった1990年の36億1000万tと比べ、20年間で28.3%減少している。物流企業同士の合併、買収などの動きも進み、顧客の要求に応じて強みを発揮していかなければ企業の存続さえ困難となるような、とりわけ中小の物流企業にとって厳しい時代になっているといえる。

【あらためて注目される物流の重要性】
 昨年3月の東日本大震災では、部品の製造工場の操業が止まるなどして、国内はもちろん世界規模で影響を及ぼすサプライチェーンの寸断が生じた。複雑過ぎるサプライチェーンの再検討や、今後想定される災害等を踏まえたリスク分散の必要性があらためて認識されるとともに、経済活動を支える物流の役割に大きな注目が集まることとなった。
 今回の特集では、日本経済、地域経済を支える重要な役目を担う物流業に着目した。圏央道の整備等に伴い物流施設立地の動きが盛んな首都圏、順調に分譲が進む岩手県花巻市の花巻流通業務団地、共同物流センターを有する卸商業団地として全国最大規模の埼玉県熊谷市の熊谷流通センターなど各地の事例に目を向けながら、物流業界の動向や関連施策などをとりまとめた。