HOME > 機関誌「産業立地」バックナンバー > 産業立地2012年1月号特集

機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

地域と産業振興 ―地域を支える産業の再生に向けて―

(産業立地2012年1月号特集より)
【特集にあたって】
 過去三年間続いている、立地総合研究所担当の新年号特集「産業と都市の関係の再構築」、「産業と都市-地域からの融合戦略-」、「産業立地政策のこれからを考える」に続き本号では「地域と産業振興」をテーマに、地域の経済・社会を維持する上で重要な役割を担っている産業振興のこれからの方向について紹介する。
 本号の特集では、一貫して取り上げている産業と都市(地域)の関係を基本に、「東日本大震災」以後の大きな環境変化に対応できる産業再生の方向について検討し、次代の地域構造、産業構造、それを支え、自立・循環社会を実現する産業の動きや、振興策、人材の重要性に光をあてている。そして、今までわが国発展の歴史の中で構築されてきた地域構造や産業の流れを基盤とし、それを活かしつつ、今後の地域産業再生に繋げる方策を「産業立地」の観点から具体的に展望することを目的に企画された。

【これからの「産業振興戦略」のあり方】
 本特集では、まず、これからの産業振興の方向について、東京大学大学院の松原宏教授のインタビューにより、震災を契機に大きく変化する産業構造の変化、産業再生と産業政策の課題、産業と都市の新たな方向が示された。
 次に、北海道大学大学院教授の山本強教授に、フィンランドのオウルとイタリアのトリノのクラスターを例に、国民性の違いによる地域振興への取り組みの違いについてご紹介いただき、グッド・プラクティスを学ぶ重要性が示唆された。
 続いて、産業と都市の計画づくりの検討を協力して進めている、佐々木地域計画事務所の佐々木滋生代表から、これからの「地域産業新生」のビジョンとして、社会再生産業(経済)の可能性、産業コミュニティ再生の必要性についての提案を受けた。

【地域における産業振興の課題と対応方向】
 後半では、地域の持続的発展に重要な要素となる、地域内経済循環の具体化方策の提案。地域の産業競争力の強化に不可欠な、イノベーション創出を支える人材育成の重要性と研修事業の紹介。地域の活力のバロメーターとして地価公示に着目し、首都圏における地価2極化への対応の必要性の指摘について、立地総合研究所の報告を紹介した。
 今回の特集は、人口減少、高齢化といった構造的な変化や、リーマンショック、震災によるダメージから地域産業が立ち直るために、新たな時代の地域産業の方向を探り、少しでも早い対応を必要としている、多くの課題を抱える地域、企業の方々と地域の再生・復興に向けて将来を描く一助となれば幸いである。