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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

東日本大震災からの産業復興に向けて

(産業立地2011年7月号特集より)
【復興構想会議が第1次提言を決定】
 2011年3月11日に発生した東日本大震災は、東北地方太平洋沿岸部を中心とする広範囲の地域に甚大な被害を及ぼした。約4カ月が経過した現在、被災地では徐々に生活基盤の再建が進みつつある一方で、いまだ多くの方々が不安な暮らしを強いられている。
 6月20日には、東日本大震災の復興に向けた復興基本法が成立。それに基づき首相を本部長とする復興対策本部を設け、以後できるだけ早期に「復興庁」へ移行することなどが定められた。また、政府の「東日本大震災復興構想会議※」は6月25日、第1次提言を正式決定し、首相に提出した。復興に向けての地域づくりの方向性や、生活・経済の再生、原子力災害からの復興などについて述べられ、特区の活用や財源確保などにも言及したこの提言の内容は、平成23年度第3次補正予算案に盛り込まれる方針である。


【国内産業全体にも影響、求められる被災企業の再建】
 日常生活の再建とともに求められるのが、地域経済を支える地場産業を中心とした被災企業の再建と、企業立地の促進などの産業振興である。雇用の場の確保は、地域の人々が暮らしを立て直し、自立した生活を取り戻すにあたり欠かせない。また、地域産業の再建が持つ意味は被災地の復興という点にとどまらず、今回、東北地域で多くの企業が被災し部品や部材の調達が滞ったことで、生産活動において影響を受けた企業は国内全体、さらには世界各国にまで及んだ。さらに、電力不足による節電への対応も、電力需要の高まる夏本番を迎え大きな課題となっている。こうした状況は、各企業がリスク分散についてあらためて検討する契機になっていると考えられ、生産拠点の海外シフトによる国内産業空洞化の進行も懸念される。
 本誌では、震災復興のなかでも特に産業面での復興に焦点を当てて特集を組んだ。被災地をはじめ国内全体において、震災の影響を被った産業がいかに立ち上がり、将来に向けての見取り図を描いていくのか。多くの課題を抱えながらも、復興に向けての着実な歩みが進められている。
※復興構想会議メンバーである東京大学 大西隆教授へのインタビュー記事を3ページに掲載。