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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

日本国内投資促進プログラム

(産業立地2011年5月号特集より)
【伸び悩む国内投資への対応策】
 企業がグローバルに事業を展開する時代にあって、わが国は投資先としての魅力を急速に失いつつあり、深刻な課題となっている。とりわけ、アジア新興国における経済成長や企業誘致支援策の強化による影響は多大なものがあり、わが国からグローバル企業の撤退が相次ぎ、国際的な事業活動拠点としての地位を喪失しようとしている。また国内企業についても、事業コストや立地手続きの迅速性といった条件において優位な海外への移転が進み、海外企業、国内企業のいずれについても日本国内への投資が伸びないという状況に陥っている。経済産業省の平成22年工場立地動向調査結果(本誌48ページ参照)を見ても、国内の工場立地件数は、調査を開始した昭和42年以降、過去最低を記録している。
 こうした状況を背景に、2010年8月、菅総理は経済産業大臣に対し、国内投資を促進し新たな雇用を創出するため、工場・事業所や本社機能の国内立地促進、中小企業対策を重点課題とする「日本国内投資促進プログラム」取りまとめの指示を行った。それを受けて、産業界・労働界の民間委員参加による「国内投資促進円卓会議」において官民協調での対応策を検討。同年11月、同プログラムとりまとめの運びとなった。

【日本における成長産業の可能性と課題】
 このプログラムにおいては、産業界が「攻め」の経営に転換し積極的な投資を行うにあたっての投資目標など、民間の取り組むべき課題が提示されるとともに、政府・地方自治体がそれらを政策面で強力に支援するにあたって取り組むべき課題が示されている。さらに、立地競争力の強化に向けた、世界水準の投資・事業環境の整備等についても言及されている。
 今回の特集では、経済産業省関係部局による日本国内投資促進プログラムならびに同プログラムに基づき策定された「企業立地促進総合プラン」についての解説、そして関係機関・地域での取り組みや事例をご紹介する。なお、日本国内投資促進プログラムを受けて全国に開設している「工場立地相談窓口」についても、41ページに掲載している。
 東日本大震災での甚大な被害により、わが国はまさに戦後最大の危機に直面している。復興に向けての政策を強力に推進するとともに、日本の経済力低下を押しとどめるべく投資促進の取り組みも重要性を増しているといえよう。