HOME > 機関誌「産業立地」バックナンバー > 産業立地2010年5月号特集

機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

地域産業振興をめぐる動向

(産業立地2010年5月号特集より)
【立地件数の推移と地域産業の将来像】
この3月に経済産業省から発表された平成21年の工場立地動向調査によると、全国の立地件数は873件、立地面積は1,346haで、立地件数では最低を記録した平成14年の844件に次ぐ低迷となった(同調査の概要は本誌41ページに掲載)。さかのぼってみると、この調査が開始された昭和42年は立地件数4,432件、面積4,315ha、2年後の44年には同5,853件、6,355haと最高値を記録している。その後、景気の後退と回復を繰り返しながら、工場立地も増減し、全体の大きな流れとしては減少の傾向を経てきたのはご存じの通りである。
とはいえ、ここ1、2年の数字は下がっているものの立地件数の大きな増加を示してきた金属製品や輸送用機械、一方で10年ほどを振り返っても増減が少なく堅調な件数で推移している食料品など、業種によってその動向は異なる。そして今また、「環境・エネルギー」、「医療・福祉」など、時代を促えた設備投資の動きが確実に進みつつある。
そうした中、国内各地域では、これからどういった産業に特化していくのか、新たにどのような分野を掘り起こしていくのか、また、どのような体制で取り組んでいくのか、将来像を見据えながら検討を続けている。

【地域振興の新たな可能性を探る】
今回の特集では、当センターから「工場立地の転換点」と題して、環境関連や航空機産業を中心に最近の産業立地をめぐる動向を示したうえで、実際の地域振興の事例、または地域振興につながる可能性があると目されるテーマなどを掲載した。
事例として挙げたのは、自動車産業に力を入れる岩手県の取り組みで、インフラや用地整備などのハード面だけでなく、産学官連携によるネットワークや人材育成などを通して企業の信頼を得てきた独自の手法を紹介する。
また、従来の一般的な観光から一歩進めた「産業観光」を紹介する。第一次、第二次、第三次にわたるあらゆる産業を資源と考える産業観光は、国内外からの新たな観光客を掘り起こし、地域経済活性化に資する大きな可能性を秘めている。そしてもう一つは、今注目が集まる植物工場である。以前にもあったという植物工場ブームや、海外の事例などから学ぶべきものは何か、植物工場を進めるうえで留意すべき点は何か、といった点が解説されている。 さまざまな可能性を見据え、国内産業は新たな方向へと動き始めている。