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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

地域ボトムアップ型イノベーションによる地域産業育成

(産業立地2010年3月号特集より)
【地域主権国家へ向けての動き】
新政権では、地域主権国家実現が大きな政策課題であり、国と地域との関係は大きく変化する方向性にある。地域主権国家実現には、地域地域が経済的に自立できることが必要であり、地域地域が自立的経済体制を確立するためには、1次産業、2次産業、3次産業といった個別の産業振興策だけではなく、地域全体の活性化をもたらす仕組みを自ら考える必要がある。
そのためには、地域における様々な集積を活かし、新しい市場に対し積極的に挑んでいくことが重要であり、地域の発展戦略のなかで、地域内や他地域、さらには海外とどのように連携、補完、競争していくかによって、5年後、10年後に大きな差が出てくる可能性もある。それだけに、地域産業の活性化における地域の役割は、これまで以上に大きなものとなってくる。
EUにおいては、域内の国・地域の地域産業活性化の手法として今世紀に入りクラスター政策に本格的に取り組むようになったが、それは地域からの主体的取り組みを基礎とし、bottom-up initiativesが地方政府、中央政府を問わず関係者の合い言葉となっており、クラスターの自律的発展のための活動を推進している(産業立地2010年1月号 細谷祐二「欧州委員会を中心としたヨーロッパのクラスター政策の動向」参照)。このような動きは、今後の我が国の発展戦略策定と実践に大いに参考になるものである。

【地域イノベーション、ビジネス・インキュベーションの推進に向けて】
我が国では、昨年3月、イノベーションを推進する組織の全国ネットワークとして、全国イノベーション推進機関ネットワークが設立されたところであり、活動は緒に着いたところであるが、本号では、まず、設立後の活動を報告する。次に具体的な事例として、文部科学省、経済産業省によって推進された知的クラスター創成事業、産業クラスター計画を活用した地域での取り組み、新事業創出、イノベーションに有効な政策手段として10年以上にわたり取り組んできたビジネス・インキュベーションの新たな展開について報告する。
さらにはイノベーションやインキュベーションに関する定量的な分析やイノベーション人材としてのポスドク人材の活用についての取り組みも紹介する。
本特集が・地域においてイノベーションを推進するすべての方々の参考になれば幸いである。