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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

産業と都市-地域からの融合戦略

(産業立地2010年1月号特集より)
◆特集にあたって◆
 ちょうど1年前、2009年新年号の本誌は「産業と都市の関係の再構築」と題して特集を組み、2月にはそこでの提案内容をもとに「産業と都市~離反から融合へ~」と題したシンポジウムを開催して、多くの方々の参加と賛同を得ることができた(主催は当センター立地総合研究所)。本号の特集は、その後1年来の各分野での議論と地域での取り組みを振り返るとともに、この間に生じた新たな情勢の下で問われるに至っている様々な課題に対し、上記テーマに関心を寄せる人たちと改めて向き合いながら共に状況を切り拓いていくための一歩を踏み出すことを目的に企画されたものである。


【地域主権」の時代における「融合戦略」への挑戦】
 本特集ではまず大西隆・東京大学大学院教授へのインタビューにより、「産業と都市の融合」に関わる基本的な視点と論点について概観し、鳩山新政権が掲げる「地域主権」などの動向にも触れながら、特集全体で取り上げられる各テーマへの導入とした。次いで本特集の前半部“地域事例編”では、代表的な大都市産業集積地である尼崎市・板橋区・東大阪市・名古屋市[掲載順]の各地における工業地再生や住工共生等への取り組み、そしてこれらに挑戦する計画技術の現場から生き生きとした報告と提言が紹介されている。


【新たな地域産業振興の戦略と「産業・都市」マスタープランの具現化へ

 これらを受けた本特集の後半では、地方工業を含めた地域産業全体を視野に、いわば“産業側”からの多面的で学際的なアプローチが展開される。その導入に当たっては、松原宏・東京大学大学院教授へのインタビューにより、厳しい「立地調整」下での地域イノベーションの展望など、「産業と都市」に関わる重要な論点が取り上げられる。そしてこれに続いては、本特集に寄せられた加藤和暢・釧路公立大学教授、富澤拓志・鹿児島国際大学准教授、根岸裕孝・宮崎大学准教授ら各氏によるそれぞれ出色の論考を掲載して、今後のさらなる議論の深化と拡がりを期している。
今回の特集をもとに立地総研では、以後、「地域からの融合戦略」の具現化に向けて本格的な活動を開始することとしており、各地の行政実務者や計画専門家をはじめとしたさらに広範な方々との連携を深めていくことを切に希望している。具体的には、地方自治体と協働した独自の「産業・都市形成マスタープラン」の作成など、計画論・運動論レベルでのアクションプランの提唱を検討しているが、その詳細については後掲の「立地総研ジャーナル」(50ページ)をご参照いただければ幸いである。