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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

産業と都市の関係の再構築―離反から融合へ―

(産業立地2009年1月号特集より)
【特集にあたって】
2009年の世界とわが国社会は、まさに“百年に一度”ともいわれる世界経済恐慌の嵐の中で新年を迎えている。こうした“大乱”の予兆を前に、これまで「産業立地」を通じて各地の地域振興や都市・地域計画等に関わってきたわれわれには、それぞれの経験と試行をもとに、今何を明らかにし、何から始めていくことが求められているのか。─
本特集は、ほぼこのような問題意識に立って企画されたものである。そしてこれ以後も、本年2月に開催を予定しているシンポジウムをはじめとして、こうした喫緊の問題状況に対峙すべくさらに広範な議論の場を多くの方々と共に創出していくことを期するものである。

【「地域産業集積」からの再出発】

 こうした位置づけのもと、本特集では、(財)日本立地センター立地総合研究所が過去数年来、「地域産業集積」に焦点を当てた独自の調査研究や研究会活動を進める中で積極的な賛同と参加・協力を得てきた各分野の研究者の方々に執筆をお願いすることとした。
 特に平成18年度以来2年間にわたり実施した「産業集積地域の再構築に関する検討委員会」にご参加をいただいた先生方には、大西隆委員長(東京大学教授)以下、お忙しい中無理なお願いを容れていただき、それぞれ意欲的な論考をお寄せいただいた。
 いずれも、各地の地域産業集積において形成されてきた企業間・主体間の連携関係とその組み替えを通じたイノベーションの潜在力に着目する中で、あらためて今日かつてない難関に直面しつつある地域産業と都市・地域社会の再生に向けた方途と課題を明らかにしようとしたものである。

【新たな「産業都市」形成に向けた知的交流へ】
 本特集でのこうした視点と考察からは、明らかにこれまでのグローバル市場経済偏重の産業活動とは性格を異にする“もう一つの”地域産業発展のシナリオを、来るべき人口減少社会における新たな「産業都市」像と一体的に再構築していくことが、共通の課題として浮かび上がってくるはずである。
 前述のシンポジウムに向けたわれわれ自身の提案文と併せて、本特集が、各地の「産業と都市」に深く関わる研究者・計画専門家や行政実務者等の方々とともに、新たな「産業都市」形成に向けた知的交流の場を創出する出発点となれば幸いである。