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機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

新たに動き始めた産業集積地域

(産業立地2007年1月号特集より)
【地域産業集積の重要性】
 わが国工業の発展基盤となってきた産業集積地域は、今大きく変わろうとしている。グローバル化の進展、長期化する景気後退などが主たる原因により、産業集積地域の低迷も続いたが、近年は、研究開発機能や高度技術を必要とする分野を中心とする産業分野の国内回帰の動きもあって、地域産業集積の実態及び連携構造に変化の兆しが見られ、自立的発展の可能性を模索し始めている。
 今回の集積特集は、わが国の地域産業また産業集積地域がこれからの時代にどう対応するかについて、地域を形成する要素としての「産業集積」の機能を再認識し、地域経済循環と産業集積の関係性、都市特有の要素であるサービス機能と産業集積活性化の仕組み、さらに、技術・技能・ものづくり基盤の強化に向けて、地域や企業がどのような取り組みを行っているかについて紹介する。


【地域重視の産業集積の構築】
 産業集積地域が、今後も持続的に発展し、国及び地域の経済を支えていくためには、既存の集積と新たな産業との連携・融合を繰り返しつつ、ネットワーク化を進め、新たな形態の集積を生み出していく必要がある。近年の事業所の減少等による生産連携の崩壊により失いつつある集積のネットワークを今後再生していくためには、中小企業の研究開発力強化など、既存集積を一段と先進的分野にレベルアップするような、知識連携の強化や生産連携の再構築といった構造転換を集積地域として図っていくことが重要である。
 とくに、地域産業集積には研究開発(イノベーション)能力の強化と、新たな枠組みにより形成される、密度の高い産業社会(コミュニティ)の構築が求められているところであり、今回の特集を参考に、そのような産業集積地域形成に向けた、生産システムの組み替え、知識・技術のプラットフォームづくりなどの集積地域形成の新たな方向についての検討が進められることを期待する。