HOME > 機関誌「産業立地」バックナンバー > 産業立地2006年7月号特集

機関誌「産業立地」バックナンバー 特集

公設試と大学等による産学連携と地域振興

(産業立地2006年7月号特集より)
【知財立国へ向けての動きと公設試の存在】
 知財立国を邁進しているわが国において、産学官連携は具体的な実用化段階で活発化し、大学と企業がメインプレイヤーとして着目されている。都道府県・政令市・市等が設置し、地域産業振興の一端を担ってきた公設試験研究機関(公設試)は、日々地域の中小・ベンチャー企業へ技術指導・依頼試験等を行っているにもかかわらず、プレイヤーとして着目は希薄である。しかし、モチベーションが高く、研究能力や技術指導力が高い公設試の研究員は多く存在し、なぜあまり着目されてこなかったのか疑問である。もちろん、各分野(工学分野や農業分野や環境分野等の専門分野)での専門性は学会等を通して高く評価されている。


【公設試への注目が希薄であったのはなぜか】
 なぜ、産学官連携を活発に行い、地域産業振興を通して地域振興へ寄与してきた公設試が地域におけるプレイヤーとしてあまり着目されてこなかったのであろうか。おそらく、地域中小・ベンチャー企業等への技術指導や依頼試験がミッションであり、それらを長きに渡り研究員らが実直に、地味に、継続的に行ってきたがゆえに、我々は産学官連携の視点でも、地域振興の視点でも、公設試の存在をあまりに当然というふうに考えていたのかもしれない。
 以上のような反省を踏まえ、財団法人日本立地センターでは2005年度より公設試の研究に取り組んでいる。本号は特集を公設試にフォーカスし、全分野を対象とし、先行研究が見受けられない「産学官連携による地域振興のための公設試験研究機関現況調査アンケート調査」結果の概要をご報告するとともに、各地域で特色ある取り組みをしておられる公設試の元及び現管理職、現役の研究員の方々に活発な取り組み等について存分に論じていただく。